台湾原住民の服飾における「下半身装飾品」 |
原住民の下半身装飾品には腰飾(臀飾)と足飾がある。前者は腰帯、腰鈴、腰刀、前遮布などを含めている。台湾で多くの原住民族はズボン下の概念がない。ズボン下の代わりに、布を下半身に着付ける。これは前遮布と呼ばれる。また、腰飾の中で特別なのは賽夏族の臀鈴である。臀鈴は背響とも称され、腰に結ばれ、踊りに合わせながら、大きくてきれいな音を出す。矮霊祭で最も重要な楽器である。足飾には綁腿、貝珠串、玻璃珠串、鈴鐺などがある。綁腿は護脚布とも称され、主に脚に付けられる。男も女も着付けることができる。
![]() ‧主題及びキーワード:所属族別:魯凱族
‧解説:文物用途:女性衣装。内容説明:伝統的に魯凱族は女性に対するタブーは多い。女性服装においては保守的な態度を取りながら、覆うことのできる体の部分は絶対露出しない、脚も例外ではない。布で脚を纏う代わりに、布襪を履くこともできる。
‧資料識別:編目番号:3582
![]() 従来名称:腰帯
英語名称:belt
原住民族語名称:paid
‧主題とキーワード:所属族別:雅美族
‧解説:文物用途:機織りをする婦人は、両端の縄を布の両端に締め付け、経糸を緩めたり締めたりして、布を織るのに便利な方法として、腰帯を腰に付ける。内容説明:布を織る際、婦女は地面に座り、両脚をまっすぐ伸ばし、桿を踏みつける。そして、腰帯を腰に付け、両端の縄を布の両端に締め付け、経糸を緩めたり締めたりすることにより、便利に布を織るのである。
‧資料識別:編目番号:3445
![]() 主題とキーワード:所属族別:排湾族
‧解説:文物用途:男性用。内容説明:排湾族の男性はスカートで下半身を覆うことに慣れるから、腰帯でキュロットをしっかり締める。
‧資料識別:編目番号:3167
![]() 従来名称:裏腿
英語名称:female leggings
原住民族語名称:pacinoken
‧主題とキーワード:所属族別:阿美族
‧解説:文物用途:今日阿美族が綁腿を着付ける多くの場合は儀式である。そして、仕事で足の切り傷を免れるというもとの綁腿の機能が消えてきたため、綁腿はその製造も革製の代わりに精美な刺繍に変わり、儀式服装に転じるようになった。これは現代社会で所謂「伝統服装」である。内容説明:この形式の衣装は中国語でよく綁腿と呼ばれている。もともとは仕事で草により脚の切り傷を避ける機能を持つ。男子の衣装では、綁腿は脚部から腰部まで伸ばす。一般的に後敞褲とも称される。一方、女性の綁腿は脚部に限っている。男子は青年期から綁腿を着て、女子は少女になってから、儀式服装として綁腿を着なければならない。もともと綁腿は仕事で脚を保護するのに使われたため、動物皮で作られるべきであったが、今は刺繍で飾られ、華麗で欠かせない阿美族の伝統服装になった。
‧資料識別:編目番号:3252 標本名称:織花腰帯
‧主題とキーワード:台湾原住民族
‧解説:泰雅族の腰帯は「habok」と通称される。集団、地域の違いにより、その織紋装飾も異なる。大安溪上流地域における北勢群の織花腰帯は、その装飾するポイントが帯の中段と両端に置くことがわかる。背後から前に着て、腹部に締め付ける。中段の紋様は腰を囲み、布の両端にある紋様は自然に垂れる。この腰帯は白い細長い苧麻布を下敷きにして、縁にふさ飾りが垂れ、帯の中段と両端に赤色、青色、黄色、緑色の毛糸が混じりこんだ幾何的紋様が現れる。腰を囲み、腰裙、長衣、ケープの上に締め付けられるほか、織花帯もたまに佩刀を締める刀帯として使われている。肩から脇下まで斜めに着て、しっかり結ぶ。原始的説明:腰帯:白い麻布帯の両端及び中央には赤とダークブルーのプラッシュで織った紋様がある。
‧資料識別:標本番号:193標本名称:男子前遮
‧主題とキーワード:台湾原住民族
‧解説:一般的に見かける泰雅族の前遮布は、漢人との交易から得た長い綿布で腰を纏い、腹部の所で結んでから、残る布を自ずから垂らす形式である(伊能1896、東人122:304)。伊能が採集したこの前遮布は特殊な類型である。浅い茶色の長方形で地織りの粗麻布である。上縁の両端ごとに細い麻縄を付け、着る時は麻縄を腰に結びつけ、麻布を前向きに垂れ覆うことにする。麻布の周りに沿って貝珠の飾りを縫う。また、上縁には青い毛糸が混じり織った細いストライプの紋飾りがある。何延瑞の研究によると、これは泰雅族の勇士が盛装に応じる服飾である(何延瑞1953:27)。『蕃族慣習調査報告』では「habok ungi」と称する(中央研究院民族所1996:87)。また『蕃族調査報告書』では北勢群が「oyul」と呼ぶことが記録されている(佐山融吉1918:257)。
‧資料識別:標本番号:226
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