清雍正 玻璃胎琺瑯彩竹節式鼻煙壺 |
![]() 高6.5cm、径2.2cm 雍正朝の琺瑯作品は、康煕朝のそれを継承してさらに発展させたものである。「錦地開光式」の構図、伝統的な花鳥画という題材、鮮やかな黒錦地の色調や吉祥物を用いた枠の款識などがその主な特徴となっている。この作品は、乳白色半透明のガラスを胎(本体)とし、器型は竹の節状、青みがかった黄色の地に青々とした竹の葉や生き生きとした蜘蛛が描かれており、文人画の趣に富んだ雅で爽やかな主題である。二節三段の竹の外皮は細かな点までそっくりに模され、真に迫っている。銅胎画法瑯の黒地に二匹の蝶が描かれた蓋と象牙の匙がついており、対照的に描かれた二匹の蝶が黒地に映えて艶やかな躍動感を増している。蓋は金で縁取られ、華麗で豊かな印象を与える。底の錦地開光(枠どりされた紋様や款識)には、吉祥紋様─霊芝を款書の外枠とし、白地に赤の楷書体四文字で「雍正年製」とある。この鼻煙壷は、雍正朝の鼻煙壷に見られる各種の特色を備えており、たいへん貴重かつ重要な作品である。雍正10年の造辦処の活計档に記載があり、当時の玻璃廠の作品中にあったとされる「涅白玻璃画琺瑯竹瓶」が本作ではないかと思われる。(文・游国慶)
提供:国立故宮博物院
|