| 明景泰 掐絲琺瑯番蓮紋盒 |
高6.3cm 直径12.4cm 重量634.6g 蓮の花形をしている銅胎掐絲琺瑯(有線七宝)円盒。蓋の上部は平らで蓮の花と実の図案が施されている。胴体の周囲は花弁の形になっており、花弁先端が外側に軽く丸まっている。一枚ごとの花弁の枠に、蓮の花が一朶輪ずつ描かれ、花の配色はそれぞれ異なっている。銅胎であるから手に持つとずっしりと重く、清雅な作り。銅線の埋方も極めて整っており、銅線上に施された鍍金の跡もくっきりとしている。鵝黄、靛藍、浅藍、鮮紅、瑩白などの琺瑯顔料の厚さも均等で鮮やかに輝いている。器の中身中と高台の見込み底は等しく鍍金され、高台の見込みに横書きの細かな字の楷書落款「大明景泰年製」がある。元代、掐絲琺瑯(有線七宝)器は「大食窯」或いは「鬼国窯」と称され、炉、瓶、盒、杯、盞などの器があった。明代初期洪武年間の鑑賞家・曹昭は、「婦人の閨房で用いるもので、文人が書斎で楽しむものではない。」としたが、この種の工芸は明代たいへん盛んに製作され、景泰年間(1450-1456)に宮廷の工房で作られた琺瑯器が最も名高い品であることから、俗に「景泰藍」と称される。明代末の鑑賞家は、「景泰藍」は明代における最も重要で成功する工芸品は成化磁器、宣徳銅器、永楽漆器とともに挙げている。伝世の景泰款器の真偽の区別は困難だが、この作品は高台の落款と時代の風格に合致した款のある器で、たいへん貴重な作品である。(文・蔡玫芬)
提供:国立故宮博物院
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