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軸 絹本著色 縦176.8cm 横76.2cm
観音とも称される観世音は、私たちにとって最もなじみ深い仏教の人物である。本作の観音菩薩は、よく見かける一頭二手の顕教の観音像とは異なり、頭頂に菩薩の頭部計26個と仏の頭部一個、一千の腕がついている。それぞれの掌に片目があることから、「千手千眼観世音菩薩」といわれ、密教観音の重要な典型の一つである。
瑞雲に乗って飛来した諸仏に取り巻かれ、渦巻く波涛の上、四天王が支える七宝蓮台に千手千眼観世音菩薩が立っている。観音菩薩が立つ蓮台の両側に合掌、或いは法器を手にした二菩薩がおり、下方には天龍八部衆がいて観音菩薩に敬意を表している。宝冠を戴いた観音菩薩は、紺色の髪を肩に垂らし、口元の髭が男相を作っている。しかし、その表情は柔らかな美しさを湛える女性的な雰囲気が表現されている。全体に鮮やかな色彩が施され、瓔珞などの装飾や七宝蓮台なども詳細に描き込まれている。柔らかく流れるような衣装のひだ、これらの特色は全て日本の南宋仏画に伝わり、非常によく似ている。南宋仏教絵画の名作である。
提供:国立故宮博物院
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